屋号に関する考察と逸話
- 2014/02/13
- 13:24
ここ数年、ラーメン屋の屋号で「麺屋○○」ってのがやたらと増えている気がしませんか。とくにつけ麺系の店に多いような気がします。
最初にこの屋号を使ったのがどの店なのかはわかりませんが、なんとなく麺屋武蔵の成功以来、先例にあやかろうとして増えているように思います。
ラーメンという既成の枠組みに捉われない“麺”を提供する…みたいな精神的背景が、おそらくは最初に使った店にはあったのだろうと思いますが、やたらいろんな店が使い始めると、ちょっとどうなのかなあ。
もうちょっと頭ひねった名前にするか、逆に「ラーメン田中」「鈴木ラーメン店」「つけ麺 佐藤」みたいなシンプルで飾り気のない名前のほうが潔くていいかもしれません。昔っぽいですが「○○軒」なんてのもいいですね。
一方でうどん屋です。
多店舗展開しているうどんの店で、「○○製麺」「○○製麺所」など「製麺」のつく店名も、やたらと増えてます。こちらはさぬきうどんブームで、それまで誰も知らなかった製麺所のうどんが紹介され、もてはやされて以来のことですね。「製麺」とつければ本場感、本格感が出るだろう、ということなのでしょう。
H田に言わせればこうした店の多くは「その程度の麺で“製麺所”を名乗って恥ずかしくないのか」というレベルです。少なくとも首都圏に限定する限り「製麺」とか「製麺所」を名乗っている店で美味いと思ったことがありません。(2014年2月13日現在の個人の感想です。その後、少々考えは変わっております)
それにひきかえ「丸香(まるか)」とか「すみた」「はなまるうどん」なんてシンプルな名前はいいですね。
ところで、その丸香(まるか)の屋号に関するエピソードです。
ある日ある時、H田は昼飯を丸香で食べようと思って、例によってピークタイムの長蛇の列、最後尾に並びました。するとほどなくして、私の後ろにも3人連れの若人男子が並びました。
別に聞くつもりはないけど聞こえてくる彼らの会話からわかったことですが、3人連れの中の一人(A君としましょう)はこの店の常連で、他の2人は初訪問、どうやらA君が自分の行きつけの美味いうどん屋を友人たちに紹介してやる、といったシチュエーションのようでした。
A君、かなり饒舌に「この店がいかに美味いうどんを食わせるか」「自分がいかにこの店を愛しているか」「自分がいかにこの店のことを熟知しているか」を友人たちに語って聞かせています。
聞いている2人の友人たちの中に、間もなく味わう丸香のうどんに対する期待感が大きくふくらんでいる様子でありました。
並んでいるうちに店員さんがメニューを渡してくれます。
するとA君、今度はメニューについて滔々と解説を始めます。この店のことなら何でも聞いてくれよってな感じです。
「そうね、キミらは初めてだから、かまたまを食べてみるといいかもね。あと天ぷらはゲソ天がお勧め。あ、でもね、基本何でも美味いんだよね、この“まるこう”は」
「俺さあ、中学の時から7年この店に通ってるじゃん、でも毎回感動するんだよね、ホント美味いんだよこの“まるこう”は」
おいおいちょっと待たんか水素水。7年通ってて店の名前間違えてんなよ。H田は教えてやろうかとも思ったのですが、A君のあまりに得意げな語り口調を聞いていると、友達の前で恥かかせるのは可哀想と思ったので、やめておきました。
そろそろA君が丸香に通い始めて8年になるはずですが、今もまだ“まるこう”と呼び続けているでしょうか。
丸香のご主人、A君のために看板にさりげなくふりがなでも振っておいてくださるといいかもしれませんね。
【H田 記】
最初にこの屋号を使ったのがどの店なのかはわかりませんが、なんとなく麺屋武蔵の成功以来、先例にあやかろうとして増えているように思います。
ラーメンという既成の枠組みに捉われない“麺”を提供する…みたいな精神的背景が、おそらくは最初に使った店にはあったのだろうと思いますが、やたらいろんな店が使い始めると、ちょっとどうなのかなあ。
もうちょっと頭ひねった名前にするか、逆に「ラーメン田中」「鈴木ラーメン店」「つけ麺 佐藤」みたいなシンプルで飾り気のない名前のほうが潔くていいかもしれません。昔っぽいですが「○○軒」なんてのもいいですね。
一方でうどん屋です。
多店舗展開しているうどんの店で、「○○製麺」「○○製麺所」など「製麺」のつく店名も、やたらと増えてます。こちらはさぬきうどんブームで、それまで誰も知らなかった製麺所のうどんが紹介され、もてはやされて以来のことですね。「製麺」とつければ本場感、本格感が出るだろう、ということなのでしょう。
H田に言わせればこうした店の多くは「その程度の麺で“製麺所”を名乗って恥ずかしくないのか」というレベルです。少なくとも首都圏に限定する限り「製麺」とか「製麺所」を名乗っている店で美味いと思ったことがありません。(2014年2月13日現在の個人の感想です。その後、少々考えは変わっております)
それにひきかえ「丸香(まるか)」とか「すみた」「はなまるうどん」なんてシンプルな名前はいいですね。
ところで、その丸香(まるか)の屋号に関するエピソードです。
ある日ある時、H田は昼飯を丸香で食べようと思って、例によってピークタイムの長蛇の列、最後尾に並びました。するとほどなくして、私の後ろにも3人連れの若人男子が並びました。
別に聞くつもりはないけど聞こえてくる彼らの会話からわかったことですが、3人連れの中の一人(A君としましょう)はこの店の常連で、他の2人は初訪問、どうやらA君が自分の行きつけの美味いうどん屋を友人たちに紹介してやる、といったシチュエーションのようでした。
A君、かなり饒舌に「この店がいかに美味いうどんを食わせるか」「自分がいかにこの店を愛しているか」「自分がいかにこの店のことを熟知しているか」を友人たちに語って聞かせています。
聞いている2人の友人たちの中に、間もなく味わう丸香のうどんに対する期待感が大きくふくらんでいる様子でありました。
並んでいるうちに店員さんがメニューを渡してくれます。
するとA君、今度はメニューについて滔々と解説を始めます。この店のことなら何でも聞いてくれよってな感じです。
「そうね、キミらは初めてだから、かまたまを食べてみるといいかもね。あと天ぷらはゲソ天がお勧め。あ、でもね、基本何でも美味いんだよね、この“まるこう”は」
「俺さあ、中学の時から7年この店に通ってるじゃん、でも毎回感動するんだよね、ホント美味いんだよこの“まるこう”は」
おいおいちょっと待たんか水素水。7年通ってて店の名前間違えてんなよ。H田は教えてやろうかとも思ったのですが、A君のあまりに得意げな語り口調を聞いていると、友達の前で恥かかせるのは可哀想と思ったので、やめておきました。
そろそろA君が丸香に通い始めて8年になるはずですが、今もまだ“まるこう”と呼び続けているでしょうか。
丸香のご主人、A君のために看板にさりげなくふりがなでも振っておいてくださるといいかもしれませんね。
【H田 記】
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